浅倉秋成の『フラッガーの方程式』を読んだ。
あまりの面白さに震えた。
いつまでも読んでいたい。
読み終わるのが嫌だが、読み止められず、嫌々ながらも、ページをめくる指が止まらない。
これはアニメ評論家「村田静山」に言わせると、優れたラブコメのテンプレは時代を超えたカレーライスであり、本作はスパイスの聞いた傑作なのである。
ストーリーは、誰でも現実世界でまるで深夜アニメのような世界の主人公になれる「フラッガーシステム」の主人公に涼一が選ばれたところから始まる。
涼一が選ばれる理由の一つは「つっこみ体質」であること、ということから分かるように、コミカルな会話がテンポよく進む。
涼一は意中の佐藤さんと仲良くなりたいのだが、他の女性に次々と「フラグが立って」いき、佐藤さんに近づくために如何に余計な「フラグ」をかいくぐり、そして佐藤さんにたどり着くための「フラグ」を立てるのかを試行錯誤する。
そう書くと、バカバカしい話で終わりそうだが、巧妙なストーリー展開で、感動の「テンプレート」に向かうのか向かわないのか?、張り巡らされた伏線はフラッガーシステムにどう回収されるのか?
お決まりの「テンプレート」をネタにしたメタ構造で巧妙におかしく、感動の展開へ進んでいく内容は間違いなく傑作です。
ぜひ読んでみてください。
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