浅倉秋成の『六人の嘘つきな大学生』を読んだ。
これは傑作と言って良く、自信をもってお薦めできます。

それほど長い本とは言えず、スラスラ読めるにも関わらず、読み終わった後にすごくしっかりと書き込まれた物語という印象を受けた。6人の登場人物についてそれぞれ描かれており「浅さ」を感じない。
素晴らしい構成力と人物描写力で、ぐいぐいと引き込まれます。
舞台は今を時めくIT企業の採用面接。そこに最終面接として集まった6人の中に裏切者がいる・・・・
特に殺人事件なんか起きなくても傑作ミステリーは作ることができることを証明する素晴らしい設定です。
就職活動をテーマにした人間ドラマを描いた別の傑作としては浅井リョウの『何者』がすぐ思い浮かびますね。

こちらも人間のエゴを描いたドロドロの心理を描いた傑作で、これはこれでお薦めです。
一方『六人の嘘つきな大学生』は犯人あてのミステリーというこで、人間のエゴによる緊張感のテイストはしっかり保持しつつも、謎解き用に仕掛けられた頭脳戦でもあります。
にも拘わらず、本作は甘酸っぱい青春物語でもあり、それらが見事に融合している作品となっているのです。
基本的には会話劇と人間関係だけで進むため、映画やドラマ化に向いた作品なので、近いうちに映像化されるのは間違いないでしょう(というか、裏側ではすでにどこかで進行中でしょう)。
ぜひ今のうちから読んでみてはどうでしょうか。


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