浅倉秋成の『失恋の準備をお願いします』を読んだ。
さすが朝倉秋成だけあって、ノンストップで読めちゃう傑作だった。
日の下町を舞台に、同時進行する恋愛物語が、互いの恋愛物語に影響を及ぼしながら進行していく、という構成の短編連作集。
「恋愛物語」といっても、ガチものではなく、SF要素ありのコミカルなもので、恋愛はネタにしつつも、設定を楽しむ作品のため、恋愛ものは苦手で、、、という人もにも全然お勧めというか、超おすすめ!
本作の紹介文を読むと
「あなたとはお付き合いできません―わたし実は、魔法使いだから」告白を断るため、魔法使いだと嘘をついてしまった女子高生。しかし彼は、人間界と魔法界を超える愛を誓ってくれてしまい……?
とあり、荒唐無稽な感じでして、興味を失ってしまうかもしれない。ちょっと損な紹介文だと思う。
この紹介文で興味を失った人も安心して読んでもらいたい。
それぞれの「恋愛」エピソードに出てくるキャラがみんなコミカルで愛おしくなること間違いない。
それぞれのもつれた人間関係が別のところで、そんな影響を!?とクスりとなる。
これは続編を作れるタイプの話だと思うので、ぜひ「日の下町」を舞台にシリーズ化してくれないかな。
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