『レンブラントをとり返せ -ロンドン警視庁美術骨董捜査班- (新潮文庫)』がAmazonのミステリーで33位を獲得!(2021年12月23日9時)

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内容紹介

就職したての新人にとって、「教育係」がいかに大事かは言うまでもないでしょう。

仕事に厳しいが勇敢で人間味にあふれ、細かい注意で仕事の価値をも教えてくれる先輩。

本書の主人公ウィリアム・ウォーウィックにとって、警察官の何たるかを教えてくれたのが、大先輩フレッド・イェーツ巡査でした。

ウィリアムの新しい配属先が、ロンドン警視庁美術骨董捜査班に決まった後――これは大抜擢です――、二人の最後の地域巡回の夜が始まります。

作品の中ではほんの一エピソードにすぎませんが、二人の会話がとても印象的です。

さすが酸いも甘いも噛み分けたアーチャー卿、その沁みるシーンとは……。

二人で夜間巡回中にウィリアムはフレッドに、どうして定年間際まで警察官でいつづけたんですかと尋ねます。

するとフレッドは、「おれがいままでしてきた仕事なんか、首都警察の警察官に較べれば、半分も刺激的でなかったし、報われもしなかった」といい、つづけてフレッドは、
「金のことじゃないぞ。

まあ超過勤務手当を含めれば、給料はそんなに悪くないけどな。

『デプレヘンド・デプレヘンシオ・ヴィトゥム』だよ。

超過勤務が犯罪を解決する、だ」思わず笑うウィリアムに、フレッドは、
「おれが知ってるたった一つのラテン語だ。

この仕事でおれが何より楽しいのは、同じ日が絶対にないことだ。

そしてもっと大事なのは、ここがおれの縄張りで、ここに住んでいるほとんど全員を知っていることだ」とユーモアと誇りを滲ませて語ります。

味のある会話はさすがアーチャー。

ですが、只では終わらせないのもアーチャーの凄み。

わずか数ページあとに待ち受けているのは……。

軽快なのに印象深い、英国を代表する名ストーリーテラーの新たな警察小説開幕です。

大人気作品を、この機会にに観てみよう

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