一穂ミチの『スモールワールズ』を読んだ。

家族の絆をテーマに6つの短編がつまった作品。
それぞれが異なるテーマの作品となっており、異なる面白さを味わえる。
しかし、根底には共通のテーマとして、家族間の愛・絆のさまざまな形が、夫婦、親子、兄弟の視点から語られる。
個人的には、短編で独立してながら、それぞれが関係していて、俯瞰してみるとさらに一つの物語が浮かび上がってくる作品が好き。
本作はそこまでがっつりした関係性はないが、ちらちら見える関係性が構造に深みを与えており、割と好きな構成であった。
ちょっとドキッとするものから、素直に心温まるものまで、一冊でしっかり楽しめる作品である。
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